
プログラミングに出てくる変数って何?
どうやって使うの?
理解しやすいように教えて欲しい。
本記事の内容
- 変数の基礎知識(利用目的・例)
- 変数の使い方(命名・宣言・代入)
- 言語ごとの変数の使い方
今回はプログラミングで使う「変数」がテーマです。
「変数」はプログラミングを学ぶ上ではキソのキです。
どんなシステムやサービスを作るにしても、プログラミングにおいて「変数」は絶対に使われます。
当記事では「変数の基礎知識」や「使い方」などについてわかりやすく図解し解説していきます。
変数はどんな言語でも使われますが、使い方はあまり変わりません。
なので、この記事を最後まで読んででしっかりと理解をしておけば、他の言語の習得も早いです。
変数の基礎知識
まず、プログラミングで使う「変数」とは、
データ(値)を入れておく箱
とイメージすればOKです。
数値(整数や実数)や文字列などのデータ(値)を「変数」に入れておき、使いたい時に使うことができるんです。
また「変数」は、一つの変数に対し一つのデータ(値)しか入れれないということも覚えておいてくださいね。

ポイント!
「変数」とは「データ(値)を入れておく箱」。
では、「変数」とはどういった時に使われるのか、その目的と利用例を解説していきます。
変数の利用目的
「変数」の利用目的は以下のとおり
データ(値)を一時的に記憶させておき、あとで利用するため
です。
なぜ一時的に記憶させるのかというと、以下の理由があります。
- プログラムは上から順に一つづつ実行される
- プログラムは一度にあれもこれもと同時に実行はできない
実際に「変数」の利用例をざっくりと解説しましょう。
変数の利用例
計算機(電卓)プログラムを使って、変数の利用例を見てみましょう。
簡単な足し算「100+200」です。
そこでこの計算機(電卓)では、以下のプロセスを踏み合計値が表示されるとします(下図)。
- 最初に「1」「0」「0」と順番にボタンを押す。
- 次に「+」のボタンを押す。
- 引き続き「2」「0」「0」と順番にボタンを押す。
- 最後に「=」を押す。
(※変数をわかりやすく解説するため、計算機の仕様は独自です)
さて変数はというと、上記「2.次に「+」のボタンを押す」でまず使われます(下図)。
ここでは、最初に打った「100」というデータ(値)が変数に入れられます。
そして「4.最後に「=」を押す」では、「100」の入った変数と、入力された「200」を加算して合計(300)を表示しているのです(下図)。
計算機を使った「100+200」の一連の流れは下図を参考にイメージしてください。

ポイント!
変数の利用目的は、データ(値)を一時的に記憶させておき、あとで利用するため。
変数には型がある
「変数」は仕様を決めておくことが基本です。
この仕様のことを「型」といい、整数のみを扱う「変数」なのか、文字列のみを扱う「変数」なのかなどをあらかじめ決めておきます。
よく使われる「型」の例を挙げてみます。
- int:整数が入る変数の型
- String:文字列が入る変数の型
- bool:真偽値(true/false)

金額などで使われる「10000」といった整数はint型。
「apple」といった複数の文字を集めた文字列だとString型となります。
変数の使い方
では、「変数」の使い方を解説していきます。
- 命名|変数の名前の付け方
- 宣言
- 代入
命名|変数の名前の付け方
「変数」には任意に名前を決めておくことができます。
ですが、変数はパッと見て「使用目的(用途)」が分かるように、決めなければなりません。
- 誰でも分かる明確な単語を使う
- 長い名前を避ける
しかし、任意に決めれるからといって適当に名前を付けていると、使い勝手が良くないです。
例えば、「a」や「data」などは変数の使用目的(用途)がわかりません。
「goukeikingkauwoireruhensuu」も長すぎます。
こうなると、他の人がプログラムを触ることもあるので可読性・保守性が悪くなりバグの原因ともなります。
下記に、変数名の付け方について詳しく解説しています。
関連プログラミングの変数・関数などの命名方法|コツを掴めば簡単!

ポイント!
変数の命名は、誰が見てもその用途が分かるように決める。
宣言
「変数」を使う場合には、まず「変数を使いますよ」という宣言するのが基本です。
宣言時に、どういう種類の変数なのか(データの型)を指定してあげます。
宣言方法は以下のとおり。
データの型 変数名;
例えば「合計金額」という整数(int型)を入れる箱(変数)を宣言する場合は、以下のようになります。
int 合計金額;
それでは、以下Javaでの変数宣言を見てみましょう。
整数型の変数「totalPrice」(合計金額を入れる変数)を宣言しています。
Java
int totalPrice;

ポイント!
変数を使う場合は、まずデータの型を指定して宣言してあげましょう。
変数宣言の後、いよいよ変数を使えるようになります。
次節、変数に値をいれる(代入する)方法を解説します。
代入
「代入」とは、変数に値(文字列や整数など)を入れることです(下図は整数を代入)。
変数に値を代入する記述方法は以下の通りです。
変数名 = 値;
左に「変数名」を書き、=演算子のあとに代入したい「値」を書きます。
では、実際に変数に値を代入してみましょう。
代入の例(文字列型)
例えば「犬の名前」という文字列型の変数に"Taro"を代入する場合は、以下のようになります。
犬の名前 = "Taro";
上記のように、String型への代入は「ダブルクォーテーション」で括ります。
では、実際に以下Javaで変数に代入する方法を見てみましょう。
Java
dogName = "Taro";//代入
「dogName」という変数に"Taro"という文字列が入りました。
では、整数型変数への代入もやってみましょう。
代入の例(整数型)
例えば「合計金額」という整数型の変数に10000を代入する場合は、以下のようになります。
合計金額 = 10000;
では、実際に以下Javaで変数に代入する方法を見てみましょう。
Java
totalPrice = 10000;//代入
「totalPrice」という変数に10000という整数が入りました。
ではもう少し、変数の使い方を解説しておきます。
算術結果を代入
以下の例は、靴と洋服の金額を合計するプログラムです。
Java
//変数宣言
int dressPrice;//洋服の金額を入れておく変数宣言
int shoesPrice;//靴の金額を入れておく変数宣言
int totalPrice;//合計金額を入れておく変数宣言
//値を代入
dressPrice = 10000;//洋服の金額を入れる
shoesPrice = 10000;//靴の金額を入れる
//合計する
totalPrice = dressPrice + shoesPrice;
System.out.println(totalPrice);
上記プログラムを実行させた結果は次のようになります。
靴と洋服の合計金額です。
20000
言語ごとの変数の使い方(実例)
ここでは、プログラミング言語ごとの変数の使い方を解説していきます。
- Javascript
- Python
- PHP
- C言語
言語の違いで、変数の使い方はほとんど変わりません。
なので、変数の使い方さえ覚えれば、他の言語でもすぐに扱えますよ。
1.Javascript
Javascriptの変数宣言と代入です。
Javascript
let bookPrice;
bookPrice = 10000;
また以下のように、変数定義と代入を一度にすることもできます。
Javascript
let bookPrice = 10000;
2.Python
以下、Pythonの代入方法です。
変数に本の値段と犬の名前を代入し出力しています。
Python
bookPrice = 1000
dogName = "Taro"
print(bookPrice)
print(dogName)
実行結果
1000
Taro
Pythonは変数宣言は不要です。
bookPrice = 1000 と書いたら、「変数(bookPrice)の型は整数だ!」とプログラムが自動で判断してくれるのです。
3.PHP
以下、PHPの代入です。
本とペンの金額を合計し出力しています。
PHP
<?php
$bookPrice = 1000;
$penPrice = 500;
$totalPrice = $penPrice + $bookPrice;
echo $totalPrice;
?>
実行結果
1500
PHPは宣言を省略できます。
(代入するとプログラムが自動的に型を決めてくれるのです)
しかし、スクリプトが長くなっていくと、どんな変数を使っているのかわかりにくくなります。
なので、できるだけ変数宣言するよう意識しておきましょう。
4.C言語
以下、C言語の宣言と代入です。
C
int testScore = 90;
printf("testScore: %d\n", testScore);
実行結果
testScore: 90
まとめ
最後に要点をまとめます。
変数とは
- データ(値)を一時的に入れておく箱のこと。
- 整数型や文字列型などの「型」がある。
変数の使い方
- 命名:誰が見てもその用途がわかるように命名する。
- 宣言:「データ型 変数名」
- 代入:「変数名 = 代入」
どのシステムにもサービスにも、そのプログラムには「変数」は使われています。
また、どんな言語でも変数は使われますが、言語が違っても使い方はほぼ同じです。
なので、しっかり変数を理解しておけば、他の言語の習得も早いですよ。
「変数」が理解できれば、「変数」と同じ使われ方をする「配列」の理解も簡単です。
「配列」の解説は下記記事をご覧ください。
関連プログラミングの配列の基礎知識と使い方【図解でイメージを掴む】