実際に出題された基本情報技術者試験の稼働率のテーマに関する過去問と解答、そして初心者にも分かりやすく解説もしていきます。
さらに、稼働率の問題を解くポイントも紹介!!
では早速はじめていきます。
以下は、令和元年秋期の基本情報技術者試験に実際に出題された問題を例に紹介します。
2台の処理装置から成るシステムがある。少なくともいずれか一方が正常に動作すればよいときの稼働率と,2台とも正常に動作しなければならないときの稼働率の差は幾らか。ここで,処理装置の稼働率はいずれも0.9とし,処理装置以外の要因は考慮しないものとする。
ア.0.09
イ.0.10
ウ.0.18
エ.0.19
出典:基本情報技術者試験 令和元年秋期 問16
解説
この問題を解くには、以下3ステップを行うことで解答することが可能です。
- 少なくともいずれか一方が正常に動作すればよいときの稼働率を求める
- 2台とも正常に動作しなければならないときの稼働率を求める
- 各々の稼働率の差を求める
では、一つづつ解説します。
1.少なくともいずれか一方が正常に動作すればよいときの稼働率を求める
「少なくともいずれか一方が正常に動作すればよいときの稼働率」とは、並列システムにおける稼働率ということです。
「並列システム」はその中の一つの装置が故障していても、システム全体としては正常に稼働することができるというもの。
これを踏まえて、実際に「並列システム」の稼働率を求めてみます。
「並列システム」の稼働率を求めるには、以下公式に当てはめるだけです。
1 - (1 - R)x
※Rは故障率で、xは装置の台数。
実際に値を当てはめます。
問題文に「処理装置の稼働率はいずれも0.9...」とあり、装置が2台なので...
1 - (1 - 0.9)(1 - 0.9)
よって上記を計算すると、「並列システム」の稼働率は以下の通り。
0.99
では次に、「2台とも正常に動作しなければならないときの稼働率」を求めます。
2.2台とも正常に動作しなければならないときの稼働率を求める
「2台とも正常に動作しなければならないときの稼働率」とは、直列システムにおける稼働率ということです。
「直列システム」は全ての装置が稼働していないと、システム全体としては正常に稼働することができないというもの。
これを踏まえて、実際に「直列システム」の稼働率を求めてみます。
「直列システム」の稼働率を求めるには、以下公式に当てはめるだけです。
Rx
※Rは故障率で、xは装置の台数。
実際に値を当てはめます。
処理装置の稼働率はいずれも0.9で、装置が2台なので...
0.9 × 0.9
よって上記を計算すると、「直列システム」の稼働率は以下の通り。
0.81
では最後に、求めた「並列システム」と「直列システム」の稼働率の差を求めます。
3.各々の稼働率の差を求める
「並列システム」の稼働率は0.99。
「直列システム」の稼働率は0.81。
上記より稼働率の差を求めます。
0.99 - 0.81 = 0.18
よって、答えはウとなります。
基本情報技術者試験の「稼働率」の問題を確実に解く2つのポイント!
基本情報技術者試験の「稼働率」の過去問の解答、解説をしてきました。
「稼働率」の問題を確実に解くには、以下2つのポイントを押さえておけば簡単です!
- 問題文を読んで直列か並列かを見極める
- 稼働率の公式に当てはめる
問題を読み上記を実践することで、どんな問題が出題されても必ず解くことができますよ!
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