私はITエンジニアを目指していません。
だからITパスポートを取得しても意味ないの?単なるゴミ資格になるだけ?
本記事を書いている僕は、ITパスの上位資格である基本情報技術者を保有する現役エンジニア。
正直、僕にとってITパスポートは(基本情報技術者をもっていないとしても)意味ない資格です。
なぜなら給与アップにもならないし、転職でも有利にならない資格だからです。
また、ITパスポートがないからといって、できない仕事もあるわけではありません。
ですが、僕と違った職業の人や、若い人などにとっては間違いなく意味ある資格です。
なので、ITパスポートは意味ない資格だからと取らないでいるのはもったいない。
本記事では、ITパスポートが意味ない、ゴミ資格と言われる理由や、取得するメリット、おすすめしたい方などをご紹介していきます。
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1.ITパスポートとは
ITパスポートとは、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が実施する経産省認定のIT系国家資格の一つ。
IT系国家資格は、4つの目標レベルに分けられています。
資格名 | 目標レベル | 対象者 |
・プロジェクトマネージャー ・データベーススペジャリスト ・情報セキュリティスペシャリストなどの高度技術者 |
高度なIT知識・スキル | 管理者やマネージャー、専門分野におけるエンジニアなど |
応用情報処理技術者 | 応用的なIT知識・スキル | SEやディレクターなどのエンジニアなど |
基本情報技術者 | 基礎的なIT知識・スキル | プログラマーなどのエンジニアなど |
ITパスポート | ITを利用・活用する社会人が備えておくべき基礎知識 | 一般的な社会人や学生など |
上記の通り、ITパスポートはIT系資格の中でも最も難易度が低い試験です。
ITパスポートは、パソコンなどIT機器を使う一般的な社会人や、これから社会人になる方向けの試験ということなんです。
企業に働けば必ずと言って良いほどパソコンはありますよね。
メールで外部とやりとりしたり、パスワードが設定したデータなども扱います。
プライベートでも、スマホを使ったり自宅にはWiFiだってあります。
大事な個人データや他人の権利などを守っていくためにも、ITの正しい使い方を学ぶことは必須です。
そのためにもITパスポートを取得し、ITを安全に利活用していくための基本的なIT知識を得ることが目的です。
前置きはこれくらいにし、次節、ITパスポートを持っていても「意味ない」といわれる理由について解説していきます。
2.ITパスポートを持っていても意味ない、ゴミ資格といわれる理由
- ITパスポートを持っていないから仕事ができないわけではない
- 資格による成果よりも仕事による成果の方が大きいから
- 転職に役立たないから
- 取得しても給与アップにはなりにくい
では順に解説していきます。
1.ITパスポートを持っていないから仕事ができないわけではない
これ多くのエンジニアの方がいう理由ですね。
実際エンジニアの方はITパスポートを持っていなくても、エンジニアとして仕事(開発)はできます。
就職し大きなプロジェクトチームの一員になることも可能です。
もちろんフリーランスなど、一人でお客さんから仕事を取ってきて、Webサイトを制作しそれを公開することもできます。
薬剤師や弁護士などのように、持っていないと仕事ができない「資格」ではないんです。
エンジニアにとっては、ITパスポートを持っていようがいまいが、エンジニアとしての仕事にはなんら影響はないということですね。
2.資格による成果よりも仕事による成果の方が大きいから
既に働いている社会人などに言われる理由です。
社会人として働いているのであれば、その仕事に関する勉強をするほうが得られるメリットは大きいです。
例えば営業マンであれば、市場をリサーチしたりさまざまなマーケティング手法を学ぶことは、あらたな顧客確保につながります。
あらたな顧客の確保できると、会社にとっては利益が増えます。
会社の利益が増えれば、その営業マンの給与もプラス方向に働きます。
しかし、この営業マンがITパスポートの勉強ばかりやっているとどうでしょう。
営業マンの「顧客確保」に向けた勉強時間の確保が、ITパスポートの勉強時間に奪われ十分に取れません。
とはいえ、ITパスポートの勉強が全く無駄になる(意味ない)と言っているわけではありません。
働いている社会人であれば、与えられた役割を全うするために、より優先することはあるということです。
3.転職に役立たないから
これもどちらかというと、エンジニアの方に言えることですね。
僕はこれまでさまざまなIT関連企業に転職してきた過去があります。
その際、ITパスポートを持っているかどうかなんて問われませんでした。
どちらかというと、エンジニアなので基本情報技術者とか応用情報技術者資格の保有を問われました。
エンジニアとしては、ITパスポートレベルの知識は持っていて当然といったところでしょう。
4.取得しても給与アップにはなりにくい
なんでみんなITパスの勉強するの?基本情報レベルだったら資格補助金で2~5千円くらいお給料に足されるけどITパスポートは誰でも取れるし就活にも役に立たないお給料も上がらないゴミ資格(言い過ぎ)だと今まで思ってたけどそんなことないの??#駆け出しエンジニアとつながりたい #ITエンジニア
— もなりさ23卒@エンジニアLv.2 (@yamadataro927) July 12, 2023
IT系企業ではITパスポートは評価されにくいです。
この辺はその企業次第だということもありますが、取得しても資格手当などで給与アップする可能性はすごく低いです。
全くないわけではございませんが、IT企業で評価されるのは基本情報技術者が一般的ですね。
以上、ITパスポートを持っていても「意味ない」とか「ゴミ資格」といわれる理由について解説してきました。
じゃあ、ITパスポートを取る理由ってなんでしょうか...
次節、ITパスポートを取得するメリットについて解説していきます。
3.ITパスポートを取得するメリット
順に解説します。
1.大学入試で優遇|200校以上
ITパスポートを保有していることで、約200校以上の大学において入試の優遇が受けられます(2023年1月時点)。
優遇内容は「学科試験の免除」や「点数の加点」などで、受験の合否に大きく関わってきます。
例えば北海道情報大学では、学校推薦においてITパスポートを持っていると3点の加点です。
≫学校推薦型選抜における評価基準(公募制)-北海道情報大学-
受験は1点の差が合否をわけますから、3点もらえるのは大きいです。
城西大学においても、ITパスポートを保有していることでそれを評価してくれますす。
下記に入試優遇が受けられる大学が一覧で掲載されていますよ。
大学の単位認定にもなる
ITパスポートの合格証来たけど、めっちゃちゃんとした賞状( °_° )!!!
明日大学に単位認定送ろう☺️☺️— ふじた🐕産能短大 (@FqjMk) January 19, 2022
ITパスポートを持っていることで入試優遇されるだけでなく、大学の単位認定にも役立ちます。
他に学びたい科目を選択できるし、大学生活もより楽しめそうですね。
単位認定となる大学は、下記一覧で掲載されています。
2.民間企業の就活に有利
ITパスポートを持ってると、就活でも有利になります。
事実、新卒採用におけるエントリーシートでは、ITパスポートの有無や点数なども確認する企業が増えています。
エントリーシートとは、就活において学生が企業に提出する「応募書類」の一つ。
面接時の資料として使用したり、大手企業などでは選考の基準としても使われています。
ITパスポートを持っているのと、持っていないのとでは採用の合否に関わる可能性もあります。
だからぜひとも持っていきたい資格です。
また、企業に就職すれば資格手当など(基本給にプラスして)支給する企業もあります。
ちなみに、僕が在籍していたIT企業では、基本情報技術者資格は基本給にプラス5,000円。
それよりも下位のITパスポートでも、2,000〜3,000円くらいは毎月資格手当として支給されているようです。
企業にとっては手当を支給してまで、社員に取得して欲しい資格であることが伺えます。
ただし、手当の支給するしないはその企業次第です。
どうやらITパスポートで資格手当がつくみたい
簿記2級につかないのにiパスつくんかーい🤣— かず (@kazzux) January 18, 2023
ただ、もちろん会社ごとの制度で違うとは思うけど、指定された資格をとるとうちは受験料+祝い金もらえる。難易度によるけど数万〜ウン十万。昔いたところは毎月の給料の特別手当枠に数千円〜何万とか増えた。店長だったときはITパスポート持ってるだけで毎月3000円とかもらってたかな?
— ごせんち (@9centimeters) January 17, 2023
後から分かってもしょーがないと思うけど会社も学生だけじゃなくて社員に対してこの検定受けろみたいなの提示してるから、就活時に持ってるとかなり有利だと思う。
うちは今更にITパスポートとれって言われてるわ。— ななおくん (@nanao_kun) January 25, 2023
3.公務員試験に有利
民間企業への就職だけではなく、公務員(警察官)試験を受験する際にも有利となります。
例えば、警視庁の警察官採用試験では、情報系資格(ITパスポート)を持っていると一次試験で加点評価されます。
特に公務員試験は倍率が高いです。
1点の差が合否を左右することもあるので、加点となるのは大変ありがたいこと。
これから警察官など公務員試験を目指す方にとってもメリットはありますから、ぜひ取得しておきたいですね。
以下に、ITパスポートを持っていることで加点評価となる、全国の警察官採用試験をまとめました。
詳しくは、各都道府県警察の公式サイト(下記リンク)からご確認ください。
都道府県警察公式サイト | 資格加点評価 |
北海道 | 有 |
青森県 | 有 |
岩手県 | 有 |
宮城県 | 有 |
秋田県 | 有 |
山形県 | 不明 |
福島県 | 不明 |
茨城県 | 有 |
栃木県 | 有 |
群馬県 | 有 |
埼玉県 | 有 |
千葉県 | 有 |
警視庁 | 有 |
神奈川県 | 有 |
山梨県 | 有 |
長野県 | 有 |
新潟県 | 不明 |
岐阜県 | 有 |
静岡県 | 有 |
愛知県 | 不明 |
三重県 | 有 |
富山県 | 有 |
石川県 | 有 |
福井県 | 不明 |
滋賀県 | 有 |
京都府 | 有 |
大阪府 | 有 |
兵庫県 | 有 |
奈良県 | 有 |
和歌山県 | 有 |
鳥取県 | 有 |
島根県 | 有 |
岡山県 | 有 |
広島県 | 有 |
山口県 | 不明 |
徳島県 | 不明 |
香川県 | 有 |
愛媛県 | 有 |
高知県 | 不明 |
福岡県 | 不明 |
佐賀県 | 有 |
長崎県 | 不明 |
熊本県 | 有 |
大分県 | 有 |
宮崎県 | 有 |
鹿児島県 | 有 |
沖縄県 | 有 |
4.ITに強くなる
ITパスポート資格取得のための学習は、IT知識に強くなります。
- コンピューターの仕組み
- スマホやパソコンなどを使って見るWebページの仕組み
- WiFiなどのセキュリティ規格(暗号化技術)
- インターネットを使った攻撃や防御方法など...
普段の生活の中で、パソコンやスマホ、WiFiといった情報機器を使うことは多いです。
何も知らずに適当に触っていると、ウィルス感染やデータ漏洩など多大な悪影響にもなりかねません。
ITパスポートを学習することで、情報機器をより安全に便利に使うことが可能です。
5.活躍の幅が広がる
ITパスポート資格取得のための学習をする中で、多くの技術に触れることができます。
- ネットワーク
- データベース
- コンピューター
- プログラミング
- セキュリティなど
これまで知らなかったITに関係する仕事に興味を持つことができるんです。
ITエンジニアと言っても種類はさまざま。
今後ITエンジニアを目指す方は、より自分自身に合ったエンジニアを見つけ出すことも可能です。
6.基本情報技術者試験の学習が理解しやすい
#今日の積み上げ メモ
基本情報続き。
PMBOKについて。ITパスで前提知識が入っていたので、問題なくインプットできた。
予定よりも早く基本情報終わりそう+セールだったので、Pythonの講座も購入してしまった。早く終わらせて勉強したいな。#駆け出しエンジニア#駆け出しエンジニアと繋がりたい
— おたた (@OtataEngineer) January 25, 2023
ITパスポートは、基本情報技術者試験の下位資格。
事前にITパスポートを取得しておくことで、上位の基本情報技術者試験の学習は容易です。
ITエンジニアを目指すのなら、基本情報技術者資格を取るべきです。
ITパスポートを取るメリットはわかりましたよね。
とはいえ、なぜ企業や大学はそこまでしてITパスポート取得を優遇したり、取得を推奨するのかを解説します。
4.大学や企業がITパスポート取得を優遇・推奨する理由とは
大学や企業などが、ITパスポート取得者を優遇、取得推奨する理由は以下のとおり。
一つづつ解説します。
1.ITリテラシーを学びIT技術を有効活用する
今の時代、どこに行ってもコンピュータなどIT技術を用いた情報通信機器は使われています。
会社やスーパー、コンビニ、学校などと使われている場所は多いです。
しかもコンピュータばかりでなく、スマホやタブレットといった小型デバイスまでも使われます。
僕たちはそれらに簡単に触れることができるし、また仕事においても頻繁に使うことがあるでしょう。
もはや特定の職業や人に限って、使われる特別なものではなくなっているのです。
ですから、身の回りにある情報通信機器について、使い方などを理解しておかないといけません。
もし使い方を誤ると、あなた自身や会社などトラブルに巻き込まれ重大な損失を被ることにもなるのです。
要するに「ITリテラシー」をしっかりと学んでおこうということ。
「ITリテラシー」とは、IT技術に対し理解し、適切に活用するスキルのことをいいます。
そして、IT技術に関するトラブルを未然に防ぎ、プライベートや仕事(会社)で有効に活用しようという思惑が企業や大学にはあるのです。
ITリテラシー向上は、あらゆる職種の人に求められています。
例えば当社のオートローンの場合、自動車を購入されるお客様と直接コミュニケーションし、お客様のニーズを聞き取ることが可能なのは店舗の販売担当です。お客様ニーズをそこから営業や商品企画を通して、私たちシステム担当者に伝える際に、基礎的なITリテラシーがないと正確に情報が共有できず、お客様サービス向上に結び付けることができません。より良い商品を開発するためにも、お客様サービス向上のためにもITに関するスキルは必須のものとして捉えています。
iパスは、こうしたITスキルの基礎を身につけることができ、また自分のスキルを証明するツールとして最適だと思います。
2.企業のコンプライアンス強化につなげる!
IT技術を用いた情報通信機器を、適切な知識や理解もなく使っていては、非常に危険なのです。
機器だけではなく、ソフトウェア(アプリ)、インターネットに関しても同じことが言えます。
例えば、2017年に起きた「日本年金機構の不正アクセスによる情報漏洩問題」はご存知でしょうか?
どういった事案かと言うと「標的型メール攻撃」と呼ばれるもので、特定の職員のパソコンに届いたメールに添付されていたファイルを開いたことによりウィルスに感染。
共有サーバー内のお客様情報が125万件も流出したと言われています。
しかも被害はこれだけではありません。
「バックドア」と呼ばれる不正プログラムにも感染し、日本年金機構の組織情報(職員情報や事務マニュアルなど)をも盗もうとしていた形跡があったのです。
最初の「標的型メール攻撃」によってウィルスに感染させ、次回から簡単に侵入できるよう経路を作っていたことによるものです。
元々は、職員の元に届いた1通のメール受信からはじまったこの事案。
そもそも、職員が「どこの誰だかわからないメールを開き、さらに添付ファイルまで開いていた」
ということは、完全に前述した「ITリテラシー」に欠けていたと言わざるを得ません。
さらに、共有サーバーにまでアクセスを許したということも、セキュリティ意識の甘さが露呈したのではないでしょうか。
では、「ITリテラシー」があったらどうなったのか。
誰かわからないメールは開くことはなかったでしょう。
よって、ウィルスの感染も防ぐことができたはず。
もちろん、メールのやり取りをするユーザーを限定することも必要です。
また、OSのアップデートはもちろん、セキュリティソフトを入れておくことも。
「機密・個人情報の漏えい」などの原因は、社員(職員)の誤まった操作や管理不備などといった人的ミスがほとんど。
このような事態が発生すれば、社会的信用がなくなったり、企業などでは取引停止となり被害は甚大です。
法的な責任や社会的責任が問われる、いわゆるコンプライアンスに違反するということです。
ですから、被害を未然に防止するためにもITパスポートを積極的に活用し、IT技術に関する正しい知識を身に付けないといけません。
そうすることで、コンプライアンス強化にもつながります。
現在では、コンピュータは、事務処理部門だけではなく、設計や製造部門でも使用することが当たり前の時代です。社員は、ITや情報セキュリティに関する知識をある程度持っていないと困ることも多々あります。また、情報セキュリティの確保については、システムでの対策も重要ですが、社員一人ひとりがITや情報セキュリティの知識をもち、正しく使用することが重要です。そのため、製造業においても必要不可欠な試験だと思います。
3.IT力向上の第一歩となる
記事冒頭で僕は、「ITパスポートを持っていても無意味だ」
こんなようなことを言いました。
確かにその通りで、何の役にも立ちません。
なぜなら「ITパスポート」の位置付けは、コンピュータなどを使用するユーザー向けのためのスキルだからです。
以下IPAの期待する「ITパスポート」の技術水準です。
職業人として,情報機器及びシステムの把握や,担当業務の遂行及びシステム化を推進するために,次の基礎的な知識が要求される。
① 利用する情報機器及びシステムを把握するために,コンピュータシステム,デ ータベース,ネットワーク,情報セキュリティに関する知識をもち,オフィスツ ールを活用できる。
② 担当業務を理解するために,企業活動や関連業務の知識をもつ。また,担当業 務の問題把握及び必要な解決を図るために,システム的な考え方や論理的な思考 力をもち,かつ,問題分析及び問題解決手法に関する知識をもつ。
③ 安全に情報を収集し,効果的に活用するために,関連法規や情報セキュリティ に関する各種規定に従って活動できる。
④ 業務の分析やシステム化の支援を行うために,情報システムの開発及び運用に 関する知識をもつ。
⑤ 新しい技術(AI,ビッグデータ,IoT など)や新しい手法(アジャイルなど) の概要に関する知識をもつ。
引用:IPA-試験要綱-
「職業人」としてというのは、全ての働く人のことであり特定の業種に限った話ではないということです。
前述したセキュリティに関しても、特にセキュリティの技術的なことではなく、IT技術の安全な活用を期待しております。
セキュリティに関する規定を知っておこう!という程度のことなのです。
しかし「ITパスポート」を持っていると、これにとどまりません。
あなたは、技術者になるという選択もできるのです。
それは、基礎的なIT知識を理解した上で上位試験である「基本情報技術者試験」などにチャレンジするきっかけになもなります。
「基本情報技術者試験」以上の試験は、技術者向けのスキルが要求されます。
IT技術を使用するユーザーの立場から、IT技術を用いた技術者へとキャリアアップすることが可能となるのです。
実際、僕が基本情報技術者試験を受験したときは、ITパスポートという試験制度はありませんでした。
いきなり技術者として期待される基本情報技術者試験は、少々理解するのに時間がかかりました。
「データベースの正規化?検索アルゴリズム?プロトコル?」
用語すらわからない状態でしたから、使用用途や構造・しくみを理解するには苦労しました。
しかし、ITパスポートはこういったIT用語の理解から始まり、技術的になぜ必要なのかということを学習します。
ですから、その上位試験である「基本情報技術者試験」はスムーズに理解できるので、IT技術者として活躍できる第一歩となるでしょう。
そうなれば、企業としてはIT技術者を確保できます。
ですから、これからの新しい技術・手法を用いたサービスも開発していけるようにもなるのです。
業界未経験者で、ITの職種を希望するスタッフを毎月、正規雇用で採用し、1か月間の研修を行い、ITエンジニアとして活躍する基礎を身につけます。
スタッフの中には、IT関連の職を希望するために、初めてITの勉強をする人もいます。学習を進めていくと、本人が描くITエンジニア像と実際のITエンジニア像の間にギャップがあることに気づくことがあります。しかし、研修中にiパスを学ぶことで、そのギャップを埋めたり、目標に対するズレを修正したりすることができます。iパスは、今後どんなITエンジニアとして活躍したいかを考えるきっかけにもなっているのです。そういう意味では、iパスは、本人が自分のエンジニアとしての適性を見極め、目指すべき方向性が明確になる理想的な試験だと感じています。 iパスに合格することを、キャリア形成の入り口にしてもらっています。
以上、企業や大学がITパスポート取得を推奨する理由でした。
5.ITパスポート取得をオススメしたい人、オススメしない人
ITパスポート取得をオススメしたい人 | ITパスポート取得をオススメしない人 |
・大学生や高校生などの学生 ・非エンジニアの方(教養など) ・公務員を目指す方 |
・現役エンジニア ・エンジニアを目指す方 |
上記、ITパスポート取得をオススメしたい人、オススメしない人です。
他方、現役エンジニアなど駆け出しエンジニアの方は、「基本情報技術者資格」を目指しましょう。
ITパスポートでは役不足で、転職にも役立ちません。
学習時間も無駄で、意味ない資格となってしまいます。
6.ITパスポートとその他類似する資格試験
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資格試験名 | 概要(目的) | 主催者 | 受験料(税込) | 受験者数(2021年) | 合格率 | 試験日 |
ITパスポート | 職業人として,情報機器及びシステムの把握など、ユーザー向けの知識習得 | IPA | 7,500円 | 約21万人 | 約50% | 随時実施 |
P検定(2級) | 企業の職場で求められているICT活用スキルを習得 | ICTプロフィシエンシー検定協会 | 6,230円 | 10万人 | 65.1% | 随時実施 |
情報処理検定3級 | 情報処理検定の入門で、情報を処理するうえで必要な知識を広く学び、情報処理に関する基礎的な知識の習得 | 公益財団法人 全国商業高等学校協会 | 1,300円 | 約6万2千人 | 70% | 年2回 |
ITパスポートと同程度の資格試験は上記のとおり。
ITパスポートは合格率に関しては50%で、この中では最も低いです。
ですが、この数字は決して低いというわけではありません。
また、逆に受験者数が最も多いことから、知名度が高いことが伺えます。
まとめ|ITパスポート取得に挑戦しよう!
最後に要点をまとめて終わりにします。
ITパスポートを持っていても意味ない、ゴミといわれる理由は下記のとおり
- ITパスポートを持っていないから仕事ができないわけではない
- 資格による成果よりも仕事による成果の方が大きいから
- 転職に役立たないから
これは、ITパスポートを取得するべきでない人が取得しているがために言われる理由です。
ですが、取得すべき人が取得することで得られるメリットは下記のとおり
- 大学入試で優遇|200校以上
- 民間企業の「就活」に有利
- 公務員試験に有利
- ITに強くなる
- 活躍の幅が広がる
- 基本情報試験学習が理解しやすい
では、ITパスポート取得をオススメしたい人、オススメしない人は次のとおり。
ITパスポート取得をオススメしたい人 | ITパスポート取得をオススメしない人 |
・大学生や高校生などの学生 ・非エンジニアの方(教養など) ・公務員を目指す方 |
・現役エンジニア ・エンジニアを目指す方 |
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