本記事の内容
- Sierから自社開発に転職した時の苦悩(体験談)
- Sierと自社開発の違い
- Sierをオススメな方
- 自社開発をオススメな方
結論を言うと、SIerから自社開発への転職は可能。
とはいえ、自社開発への転職後は、開発体制やスピードといった文化がSIerとは異なったので大変だった部分もあります。
自社開発が人気とはいえ、一概に自社開発をオススメできない部分もあるんです。
また、以前にインスタにおいて下記のアンケートを実施しました。
意外にも自社開発よりも、大手のSIerが人気だったことがわかりました。
本記事では、SIerから自社開発へ転職した僕が、その実体験をもとに苦悩や違いなどをご紹介していきます。
最後まで読むことで、あなたにとってどっちの企業が向いているか、判断することができますよ。
本記事の対象者は以下のとおりです。
SIerと自社開発のどっちに行こうか迷っている方や、SIerから自社開発への転職を考えている方。
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1.Sierから自社開発に転職した時の苦悩
- 給与がなかなか上がらない
- 仕事が多い|休めない
- 社内で揉めるといづらい
- 上司(幹部)からの無茶振りで疲弊
では順に解説していきます。
1.給与がなかなか上がらない
自社開発企業は、独自の製品(プロダクト)やサービスを持っています。
が、それが売れないことには企業として利益がありません。
なので、エンジニアがいくら頑張って作業したとはいえ、エンジニア自身の努力やパフォーマンスが直ちに給与に反映されることは基本的にありません。
やりがいを「給与」といった待遇だけでなく、「モノづくり」自体を楽しめないとキツいかもです。
一方でSIerですと、クライアントに製品(プロダクト)やサービスを納品することで、その報酬が企業利益になります。
努力や仕事のパフォーマンスが給与に反映されやすいです。
2.仕事が多い|休めない
自社開発企業は大手を除き、割と少数精鋭で開発をしている企業が多いです。
なので、一人のエンジニアが行う仕事量は多くなりがち。
プログラミングだけでなく、企画会議から各種サーバーのチューニング、セキュリティ対策まで幅広く行っていました。
なので、平日勤務だけでは追いつかず、残業や休日出勤もしていました。
SIerですと、エンジニアの仕事は設計や製造などと、工程ごとに割り振られます。
役割分担されているので、余程人が足りない場合を除いては、やるべき仕事は限られます。
3.社内で揉めるといづらい
自社開発企業では、仕事は自社のメンバーとともに仕事を進めていきます。
なので、苦手、嫌いな社員や上司がいると非常にやりにくいです。
ひたすら我慢するか、どちらかが会社を辞めないことには苦悩は続きます。
SIerですと、案件ごとにエンジニアも入れ替わります。
嫌だと思っても、それは開発期間だけなので人間関係など悩みは長期化しません。
4.上司(幹部)からの無茶振りで疲弊
会社や上司(幹部)の気分次第により、急な納期の変更や仕様の変更なども多いです。
なので、それに合わせてエンジニアの仕事も増えたりします。
会社という閉鎖された環境の中でのやりとりなので、法も規則もあったもんじゃありません。
SIerですと会社間でのやり取りになるので、変更の場合などの取り決めはあらかじめ最初の契約書に書かれています。
なので、無茶な仕事になることはほぼありません。
以上、SIerから自社開発企業へ転職した時の苦悩を、僕の体験談からご紹介しました。
では次節、Sierと自社開発の違いについて解説していきます。
2.SIerと自社開発の違い
自社開発 | SES(客先常駐) | 受託開発(SIer) | |
採用難易度 | 難しい | 簡単 | 普通 |
給与 | 低い※ | 普通※ | 高い※ |
残業時間 | 多い※ | 多い※ | 普通※ |
仕事内容 | 企画、設計、開発〜運用・保守その他インフラなど | コーディングなど限定的 | 企画、設計、開発〜運用・保守の全部もしくは一部 |
開発モデル | アジャイル(が多い) | ウォーターフォールまたはアジャイル | ウォーターフォール |
発注者 | なし | クライアント、大手企業子会社、受託開発企業など | クライアント、大手企業子会社、受託開発企業など |
契約 | なし | 労働力の提供 | 成果物を納品 |
特徴 | 独自のプロダクトを開発し販売・リースを行う | 技術サービスの提供を行う | クライアントの要望に合ったアプリやソフトウェアを開発 |
詳細 | ≫自社開発とは | ≫SESとは | ≫受託開発とは |
※印:企業規模や体質、案件内容、などさまざまな要因に左右され、一概には当てはまりません。僕の感想です。
上記、他によく比較されるSESも書いています。
が、今回はSIerと自社開発の違いについて比較し解説していきます。
1.採用難易度
自社開発 | 受託開発(SIer) |
難しい | 普通 |
自社開発は、ほとんどが少数精鋭の企業です。
僕のいたところも同じです。
なので、未経験者よりも即戦力になる経験者を採用する傾向にあります。
余程大手の自社開発でない限り、新卒採用はしていません。
SIerですと在籍するエンジニアも多く、マネージャーや教育担当など育成環境が整っていました。
なので、入社難易度は比較的SIerの方が低いです。
2.給与
自社開発 | 受託開発(SIer) |
低い | 高い |
自社開発企業は、モノが売れないことには企業の利益は増えません。
利益が出ないことには、所属するエンジニアの給与も増やせないのです。
SIerは、クライアントにプロダクトやサービスを納品すれば、それに対する報酬はもらえます。
多くの開発案件を増やすことで企業利益は増えていき、所属エンジニアの給与にも反映しやすいです。
3.残業時間
自社開発 | 受託開発(SIer) |
多い | 普通 |
SIerはクライアントがいて、事前に企業間で契約を交わしつつ開発を進めます。
なので、契約にない無理な働き方をさせることはできません。
ですが、自社開発企業はクライアントはいません。
つまり、自社開発企業のエンジニアの働き方は、その企業の規則や上司(幹部)によって決められます。
場合によっては、割と横暴な働き方も強いられたりもします。
4.仕事内容
自社開発 | 受託開発(SIer) |
企画、設計、開発〜運用・保守その他インフラなど | 企画、設計、開発〜運用・保守の全部もしくは一部 |
企業として見ると仕事内容はほとんど同じ。
ですが、SIerでは企業規模や開発規模によっては、他社(下請け)に協力してもらって分業することもあります。
5.開発モデル
自社開発 | 受託開発(SIer) |
アジャイル(が多い) | ウォーターフォール |
自社開発企業における開発モデルは、基本的に「アジャイル」というもの(下図)。
開発→リリース...を繰り返しながら、ユーザーニーズに合った製品やサービスに仕上げていきます。
一方でSIerでは「ウォーターフォール」という開発手法が用いられます(下図)。
設計→開発→テスト..と、工程の後戻りができない開発体制となります。
なので後ろの工程になればなるほど、進捗遅れは致命的です。
6.発注者
自社開発 | 受託開発(SIer) |
なし | クライアント、大手企業子会社、受託開発企業など |
自社開発は、開発を依頼するようなクライアントはいません。
なので、関わる人は基本的には自社のメンバーと企画から設計、開発、保守(運用)と進めていきます。
一方でSIerは開発を依頼するクライアントなど発注者が存在します。
自社のメンバーに加えて、クライアントとのコミュニケーション能力も必要です。
開発規模によっては、自社メンバーとクライアント、他社IT企業の3社で開発を行います。
7.契約
自社開発 | 受託開発(SIer) |
なし | 成果物を納品 |
自社開発は、開発を依頼するようなクライアントはいません。
なので、契約上の厳密な納期はないので、リリースが遅れても損害請求はされることはないです。
とはいえ、遅延によってサービス提供が遅れるので、その分の利益確保はできません。
一方でSIerは、開発を依頼するクライアントなど発注者が存在します。
双方で開発に関する契約(実施場所・体制・納期・報酬・不具合対応・権利など)を交わし開発が進められます。
もし、納期遅れなど致命的な契約違反があれば、SIer企業が損害賠償を支払わなければなりません。
以上、SIerと自社開発の違いを解説しました。
ではここまでを踏まえて、SIerにオススメな方や自社開発にオススメな方をご紹介していきますね!
3.SIerをオススメな方
- クライアントや協力メンバーとも仲良くやっていける
- 適度な責任感がある方
- スキルアップや経験を積みたい方
≫受託開発企業(SIer)のエンジニアに向いている人・活躍できる人
SIerは自社のメンバーに加えて、クライアントとも協力し作業をしていきます。
大きな開発案件にもなると、他のIT企業エンジニアも加わります。
さまざまな立場の方達と交流しつつ、エンジニアとしての知見やスキル向上したい方にオススメです。
また、いろんな開発にも携わることができるのでスキルアップもできます。
スキルが認められれば、引き抜き(オファー)もあり得ます。
4.自社開発をオススメな方
- コミュ力のある方
- 需要に合う発想・提案力を持っている方
- 自社製品に愛着心がある方
- 分析力のある方
自社開発はとにかく売れるモノを作っていかなければなりません。
そのためには、アイデア出しや提案力が求められます。
開発することに加えて、その前の企画段階にも参加したい方にオススメです。
自分のアイデアや提案が認められ、それがヒットするとさらに仕事に対するやりがいも感じます。
まとめ|次は具体的に企業を探しましょう!
最後に要点をまとめて終わりにします。
Sierから自社開発に転職した時の苦悩。
- 給与がなかなか上がらない
- 少数精鋭なので仕事が多い
- 社内で揉めるといづらい
- 上司(幹部)からの無茶振りに疲弊
SIerと自社開発の違いは以下のとおり。
自社開発 | SES(客先常駐) | 受託開発(SIer) | |
採用難易度 | 難しい | 簡単 | 普通 |
給与 | 低い※ | 普通※ | 高い※ |
残業時間 | 多い※ | 多い※ | 普通※ |
仕事内容 | 企画、設計、開発〜運用・保守その他インフラなど | コーディングなど限定的 | 企画、設計、開発〜運用・保守の全部もしくは一部 |
開発モデル | アジャイル(が多い) | ウォーターフォールまたはアジャイル | ウォーターフォール |
発注者 | なし | クライアント、大手企業子会社、受託開発企業など | クライアント、大手企業子会社、受託開発企業など |
契約 | なし | 労働力の提供 | 成果物を納品 |
特徴 | 独自のプロダクトを開発し販売・リースを行う | 技術サービスの提供を行う | クライアントの要望に合ったアプリやソフトウェアを開発 |
詳細 | ≫自社開発とは | ≫SESとは | ≫受託開発とは |
※印:企業規模や体質、案件内容、などさまざまな要因に左右され、一概には当てはまりません。僕の感想です。
自社開発が良いとかSIerが良いなどと偏った考え方はマズイです。
どっちが良いとかはなく、どっちに向いているかに主観を置いて当てはめてみることが大事です。
当てはめることができたら、次は実際にその企業を探してみましょう。
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