
システムエンジニアの「客先常駐」とは何? どういった働き方なの?
メリット・デメリットを知りたい。
また「客先常駐」として働くための心構えなども教えて欲しいな。
本記事の内容
- システムエンジニアで客先常駐の実話|実体験
- 客先常駐のメリット・デメリット
- 客先常駐で働くための「心構え」
- 客先常駐が「つらい」「避けたい」と思った時の対処法
本記事を書いている僕は、過去数社のIT(SIer)企業とWEB会社を経て、現在WEB系のフリーランスとして活動中。
今回は、システムエンジニアとして働いた経験のある僕が「客先常駐」について実体験を交えご紹介していきます。
結論を言うと「客先常駐」として働くことも悪くはないですが、あまりにも長く「客先常駐」として働くことはオススメできません。
なぜなら、長く「客先常駐」することで、あなた自身の将来がつまらないものになってしまうからです。
記事後半では、これから「客先常駐」で働く新卒未経験者の心構え、現在「客先常駐」がつらいと悩むシステムエンジニアの方のとるべき行動がわかりますよ。
有名企業(非公開)にも出会える!

これから「客先常駐」として働く方、今現在「客先常駐」で働いている方、 不安なことなどあったらコメント(インスタ)で教えてくださいね!
ぼくで解決できる方法があればお伝えしていきます。DMもOKです。
目次
1.システムエンジニアで客先常駐した実体験
客先常駐の働き方
システムエンジニアの「客先常駐」とは、クライアントの企業に出向いて作業をする働き方のこと。
プロジェクトが終了するまで、毎日クライアントの企業に出向く働き方です。
客先では接しにくいクライアントもいたりし、完全アウェー感を感じます。
また働く環境も(自社とは)違うので、最初は戸惑ったり、働きにくさも感じます。
とはいえ、良いクライアントもいたり、同じ客先常駐している他のIT企業のエンジニアとも仲良くなれますので楽しい部分もあるんです。
さまざまなエンジニアとの出会いがスキル向上にもなったりしますので、「客先常駐」は一概に避けるべき働き方とは言えないんすよね。
休日・就業時間はクライアント企業規則に準ずる
始業・終業時間 | 基本クライアント規則に準ずる |
休日取得 | 基本クライアント規則に準ずる |
福利厚生 | 自社に準ずる |
交通費や残業手当など | 自社に準ずる |
給与 | 自社に準ずる |
客先常駐では、基本的に始業時間や休日取得はクライアント企業に準じます。
例えば、自社の始業時間が9:00でもクライアントが9:30だとすると、9:30からの出社で良いのです。
逆に自社が(9:30)クライアント企業()よりも遅い始業だとしても、会議や打ち合わせなどありますからクライアントに合わせる必要があるんです。
(ただし、家庭の事情や出勤手段の難しさがある方ですと、この限りではなく柔軟に対応しれくれます)
また夏休みやお正月休み、GWなどの休日もクライアントに合わせることになります。
休暇などは一般の企業が出勤でも、大手の企業であれば割と待遇も良く、長期連休を得ることもできます。
(ただし、個別に休むこととなれば自社とクライアントへの報告が必要です)
良い面や悪い面もありますが、これは実際に常駐するクライアント次第になります。
なので、持ち前のスキルに加えて、運やタイミング要素も影響する案件ガチャの一種です。
派遣と間違えられる|雇用形態が違うだけ
友人に、クライアント企業に出向いて働いているのであれば「派遣」ではないのか?とよく言われました。
確かに、大きなプロジェクトにもなると派遣社員の方も「客先常駐」としてクライアント企業に出向き働いていました。
働き方は同じですが、「雇用形態」が異なるだけなんです。
つまり、僕の場合は所属するIT企業があり、自社からの指示でクライアント企業に出向いています。
しかし、派遣社員の場合は、派遣会社の指示があってクライアント企業に出向いているのです。
派遣会社所属のエンジニアだと、プロジェクトが終われば次の仕事が見つかるまで給与はもらえません。
ですが、IT企業に所属していると、たとえ次にの仕事が見つからなくても給与はもらえます。
>>客先常駐(SES)と一般派遣の違い|派遣のメリット・デメリットや向いている人
2.客先常駐のメリット・デメリット
まずはメリットからご紹介していきますね。
客先常駐のメリット
- 交流が広がる
- 人間関係の悩みがあまりない
- 上位会社に転職できる可能性もある
順に解説していきます。
1.交流が広がる
クライアント企業へ出向くと、様々なIT企業のエンジニアと一緒に仕事をしていきます。
仕事を通じて仲良くもなれますから、週末には飲みに行ったりプライベートも楽しめるんです。
また、若いエンジニアから、ベテランエンジニアまでいますので、技術のアウトプットや新しい知識などのインプットもできます。
得意とする言語・業態が同じだと、再び同じプロジェクトで出会うこともよくありました。

交流が広いと、後々フリーランスとして独立した際の仕事の相談もしやすかったですね。
2.人間関係の悩みがあまりない
プロジェクトは1ヶ月という短いものから、2、3年といった長いものまであります。
ですから、たとえ嫌なクライアントや上長、エンジニアがいたとしても付き合いは高々数年です。
一般企業みたいに同じ社員と何十年と付き合わなくてすみますから、人間関係で悩んでも我慢できます。
また、自社に嫌な上司などの社員がいる場合でも、プロジェクトが違えば常駐先も違います。

ですから「客先常駐」を主とするIT企業は、人間関係が苦手な方にとって働きやすい職場とも言えます。
3.上位会社に転職できる可能性もある
客先常駐で、様々な会社のエンジニアや管理者と親しくなると「引き抜き」のオファーをもらえることもあるんです。
もちろんそれには先方に「引き抜きたい」と思ってもらえるようなスキルが必要です。
しかし、こちらの欲しい収入や待遇面をある程度聞いてもらえます。
ですので、「引き抜き」は通常の就活における採用条件とはかけ離れて「良い」のです。

お世話になった会社を「辞める理由」を探すのが難しかったですが、先方に自分のスキルを認めてもらった事実は素直にうれしかったですね。
以上、客先常駐のメリットについてご紹介しました。
次に、客先常駐のデメリットについて解説していきます。
客先常駐のデメリット
- 休日など就業規則は客先の決まりに従う
- 自社の帰属意識が薄れる|孤独感
- 大きなプロジェクトだと「やりがい」がない
- 遠方の仕事だと長期出張感覚
順に解説していきます。
1.休日など就業規則は客先の決まりに従う
客先常駐で働いていると、自社の規則よりもクライアント企業の就業規則に従い仕事をしていきます。
たとえば、夏季休暇などは企業によってある程度バラツキがあります。
自社は休業日だけど、クライアントは営業日であるならば、客先の規則に従い仕事をします。
また、自社は「私服OK」でもクライアント先では「スーツ着用」ならばそれに従う必要があるんです。

プロジェクトの業態によっては、カメラ付きスマホを開発室に持ち込み禁止などルールもあるくらいです(特に金融系)。
2.自社の帰属意識が薄れる|孤独感
自社ではなくクライアントでの仕事となるからです。
特に、一人でクライアント企業に行く際には、いったい自分はどの会社にいるんだろう...と孤独感に浸ります。
仕事に失敗・ミスした時の相談も、最初はなかなか勇気がいるものです。
また、定期的に自社へ作業報告はするものの、あまり自社に行っていないせいか緊張したり落ち着かなかったりすることもあるんです。

僕が客先に常駐している間に、新入社員や中途採用で入社した社員から「誰だろ?」といった顔をされることもありました。
自社の飲み会に参加するものの、知らない人ばかりいたり、社員が辞めていなくなっていたということもありますよ。
3.大きなプロジェクトだと「やりがい」がない
「客先常駐」ともなると、大きなプロジェクトに携わることも多いです。
つまり、大きなシステムのほんの一部分のみにしか関われず「達成感」に薄れます。
自分の仕事が、巨大なシステム(機械)の中の「小さな歯車」にしかなってないと自覚するため、仕事中は(良い)緊張感もありません。
多少作業が遅れても誰にも迷惑が掛からないだろうと、気持ちが落ちることもよくありました。
また、システム全体が動いて上層部は喜ぶのですが、いちいち細かい機能ができたからと言って感動なんてしてくれません。
むしろ「はやく作れ!」と言わんばかりですよ。
4.遠方の仕事だと長期出張感覚
クライアントが遠方にもなると、長期出張をしないといけません。
ですから、しばらく家を留守にしたりすることもあります。
さらに、プロジェクトが終わっても、次のクライアントも遠方だと続けて長期出張になる可能性だってあるんです。
特に地方の下請けIT企業ともなると、都市圏あたりの出張が多くなります。
家族・友人・恋人にも逢う機会も減りますから、遠方で一人寂しい思いもしてしまいます。
出張ばかり続き、結婚しようにもなかなかできないエンジニアもいましたよ。
以上「客先常駐」で働くメリット・デメリットをご紹介してきました。
特にこれから、IT企業で働きたい新卒未経験者に「客先常駐で働くための心構え」をお伝えしていきます。
3.客先常駐で働くための「心構え」
- 新卒ならば「経験」を積めるから積極的になろう!
- 顔を売ろう!
- プログラミングはあらかじめ学んでおこう!
順に解説します。
1.経験を積めるから積極的になろう!
「客先常駐」は、クライアントやさまざまな同業企業と一緒に仕事をする機会が多いです。
- 同業のエンジニアの見習うべきスキルを実際に見て学べる
- 対クライアントのコミュニケーション能力が身に付く
スキルのない未経験者にとっては、「客先常駐」は「一定の経験とスキルアップ」を身につけるには最適な環境なんです。
なので、一緒に仕事をする人とは積極的に話す機会を作っていきましょう。
一定の経験を積めば次のスキルアップを考えよう
ただしいつまでも長居は禁物です。
なぜなら、それ以上スキルアップができなくなる時期がやって来る可能性もあります。
特に下請けIT企業ですと、この先もずっと「下流工程」となってしまうからです。
もちろん、給与アップも期待することはできません。

これ以上スキルアップができないなぁと感じたら、上流工程をさせてもらえる会社に転職したり、フリーランスとして独立することをオススメします。
2.顔を売ろう!
「客先常駐」は、様々なエンジニアやプロジェクト管理者との交流が生まれます。
交流を持っておくことで、今後仕事に困った時などの助けにもなってくれますよ。
たとえば、自社での仕事がなかった場合、個別に連絡をとることでもしかすると仕事をもらえたりもします。
さらに、今後フリーランスとして活動する時の助けにもなってくれます。
実際に僕も、自社の案件がなかったときには、個別に仲良くなったエンジニアに相談すると仕事をもらえました。
エンジニアでもあるけれど、営業マンとしても活躍することができますよ。
3.プログラミングは学んでおこう!
いくら未経験からIT企業に就職できるとはいえ、正直プログラミング未経験だと辛いです。
- 仕事についていけない|スケジュール遅れ
- 何がわからないのかわからない|質問すらできない
- 問題が解決できない|毎日残業の日々...
結果的に、会社を辞めたくなってしまいます。
事実、僕がそうでして、毎日会社にいくことが嫌でしたし「やりがい」なんてありません。
プログラミング経験済みの同僚は、早々と仕事を任されコーディングしている姿を見ると、自分が情けなくなりました。
未経験では「辛い」と感じることは必至でして、辞めてしまうことが一番もったいないですよね。
ですから、未経験者であれば、プログラミングは絶対に学んでおくことをオススメします。
長く活躍していけることを考えると、受講料なんてお安いものですよ。
就職して、わずか2、3ヶ月もあれば回収できてしまいますからね。
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現在「客先常駐」で働いている方で「つらい」と感じている方は、次節を読み進めてくださいね。
4.客先常駐を避けたいと思った時の対処法
- WEB系・社内SEへ就(転)職する
- 上流工程に携われるIT企業へ就(転)職する
- フリーランスとして活動する
順に解説しますね。
1.WEB系・社内SEへ就(転)職する
WEB会社や社内SEは以下のような特徴があります。
- 自社製品を持っている
- さらにスキルアップが可能|個人のスキルアップは会社利益に繋がるから
- 仕事のスタイルは自社規則に準ずる
WEB系や社内SEであれば、自社製品を持っていることが多いです。
ですから開発の「上流工程」から「下流工程」までを経験することができます。
また自社開発を主としていますから、一人一人のエンジニアのスキルは不可欠なんです。
エンジニアのスキルがあってこそ、自社開発ができますからね。
なので、各エンジニアの得意・不得意を把握してくれますから、さらなるスキルアップだって可能です。
僕はIT(SIer)企業から、社内SEやWEB会社へと転職した経験があります。
IT企業で身につけたスキルも活かすことができましたし、あらたなスキルも大幅に習得できましたよ。
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2.上流工程に携われるIT企業へ就(転)職する
「客先常駐」でも、「上流工程」に携われるIT企業に就職することです。
SIerの開発構造は、元請け(大企業)をトップとするピラミッド構造です。
上位に位置する企業ほど、高単価ですし、仕事のやりがいも生まれます。

いつまでも「下流工程」ですと、給与もアップしないですし、やりがいもないままですよ。
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3.フリーランスになろう
- 給与アップできない
- スキルが身につかない
- 会社に所属しているという感覚がない
上記悩みを持っている方は、フリーランスとして活動しましょう。
僕の場合、一人で「客先常駐」することが多かったですから、自社に対する帰属意識も薄れていました。
なので、特にフリーランスとして活動しても、そんなに違和感はなかったですね。
以下に、フリーランスとして活動する僕がオススメするフリーランス向けエージェント(無料)をご紹介しておきますね。
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カンタンな登録さえしておいて「職務経歴書」は後日でOKです。
魅力的な企業・待遇の紹介案件が舞い込んできますから、見ておくだけでもすごく参考になります。
まとめ|新卒は「客先常駐」がオススメ!
最後に要点をまとめます。
客先常駐のメリット
- 交流が広がる
- 人間関係の悩みがあまりない
- 上位会社に転職できる可能性もある
客先常駐のデメリット
- 休日など就業規則は客先の決まりに従う
- 自社の帰属意識が薄れる|孤独感
- 大きなプロジェクトだと「やりがい」がない
- 遠方の仕事だと長期出張感覚
「客先常駐」であれば一定の経験・スキルを積むことができる最適な環境ですので新卒者にはオススメです。
ですが、経験のあるエンジニアにとってはオススメできる働き方ではありません。
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現在「客先常駐」として働き、「つらい」「避けたい」と感じている方は、転職やフリーランスを目指しましょう。
さらなるスキルアップややりがいも感じることができますよ。
はじめてのIT系フリーランスにおすすめなエージェント!

最初は、下記エージェントから3つほど登録(無料)しておくことをオススメします!
仕事を幅広く探すことができるし、相性が良いエージェントに出会うためです。
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システムエンジニアについては、以下記事で網羅的にまとめています。